【結局派遣はよかった?】派遣歴20年の経験者の本音

派遣

派遣歴20年だなんて「気の毒に・・・」と思う人、いますよね?

派遣というと「派遣切り」の負のイメージが強いので、
ある意味当たり前かもしれません。
企業の捨て駒ですぐに切り捨てられる・・・
これはある意味で真実、でもそうとも言い切れない部分もあります。

この間に派遣法も色々変わり、現職場3年目を区切りに、わたしの待遇も大きく変わりました。

派遣歴20年のわたしは派遣業界とその変化をどう渡りあるき、今どう見ているのか説明します。

20年間派遣社員をしてきた 率直な感想

意外かもしれませんが、楽しく20年間過ごしてきたというのが本音です。

もちろん山あり谷ありではありましたが、
それは働き方に関わらず、大抵の人が経験しています。

わたしの場合、職場の人間関係や、仕事の内容で悩みはあったものの、
「派遣」に起因した困りごとは特段なかったと記憶しています。

それだけ良い職場に巡り会えたのかもしれませんね。
感謝感謝です。

ガツガツしない人にはちょうど良い

ご存知の通り、稼ぎは多くないです。

地域や業種によると多く稼ぐことも可能ですが、基本的に事務系などは安いです。。

ただ家から通っているとか、そもそも多くを求めない人生観の人であれば、
基本的に貯金可能な生活を維持できる時給かと思います。

(しかし1000円以下やその辺りの金額帯を選んでは難しいと思います。生活費だけで消えてしまいます。)

それに残業代は100%支払われるので、稼ぎたい人は残業多めの職場を選んでも良いかもしれません。

しかしくれぐれも、体調崩さないように。

体が資本です。

色々な企業、職種、業種を経験できる

派遣のメリットは、最初の派遣職場の職種や業種を引きずらなくてもよいこと。

どういうことかというと、未経験で色々なことに挑戦しやすい環境があるということです。

仕事を検索してみると、「未経験可」の案件も多数あります。

こういうわたしも「業界・業種未経験」状態で全ての案件に挑戦し、
全勝(雇用決まり)してきました。

自慢ではなく、普通の人でも未経験での就業は可能だ、ということです!

新しいことにチャレンジしやすいのが、派遣のメリットかなと思っています。

企業に依存するという考え方がなくなる

ある意味ヤドカリの気分です。

宿が汚くなったり古くなったりしたら、新しい宿に着せ替えする。

派遣もそうで、もう十分にこの仕事をしたな、もう飽きたなと思えば次へ向かいます。

期間契約なので、移ろうと思えば契約が切れるタイミングで簡単に次の職場へ移れます。

円満退職が好ましいので、少なくとも1ヶ月前、職場によればもっと前から連絡し、
しっかりと引き継ぎを終えたいものです。

正社員の場合、職場に不満があっても「一生ここで働かないといけない」状況であれば、
自分の中で妥協が必要なことも多々あり、それがストレスにもなります。

「このアホ上司の元であと20年も働くんか!」とか地獄です・・・。

最近はやめちゃう人も多いようなので、運が悪いと思って次を探せば良いと思いますが、
真面目な人ほど、その不遇な環境でがんばってしまう傾向があります。

職場はずっと同じではない、そういう考えが根本的にあるのが派遣です。

ここがダメでもよそで働けるというメンタルから始まっているので、
ひとつの企業に依存するストレスやリスクからは解放されます。

実際に企業は派遣社員を必要としている

わたしは2回派遣の職場を変わりました。(今、三度目)
そのいずれの企業でも感じたのは、派遣社員は非常に必要とされている ということ。

「派遣社員は雇用の調整弁として」というよりも、
やはり即戦力が必要な世の中になってきたということだと思うのです。
新入社員をある程度育てるには、それなりのお金と時間が必要です。
でも今すぐこのプロジェクトを進めたい、となると
スキルのある人をすぐに使いたい、というのが企業側の本音。

そして使える人とは、やはり企業も長期で契約維持したいと考えています。
正社員より断然解雇(というよりも契約終了)されやすい派遣社員ですが、
「使える人材」と思われたらそう簡単に契約終了することはない、という実感があります。

派遣法改正で待遇アップの実感

2020年に派遣法が改正されましたが、わたしにもその影響がありました。

今のところプラス影響しかありません。

同一労働同一賃金で賃金がアップ

わたしの場合は、時給的にはアップはありませんでした。

しかし他の方の話を聞くと、わたしより低かった人は同じ水準まで上がったようです。

どうやらわたしの時給は、現職場の天井だったようです・・・。

ボーナスの支給

ボーナス・・・なんて甘美な響き。

このかた20年、ボーナスなどとは無関係の人生を送ってきましたが、
今年から夏と冬にボーナスがでることになりました。

人生初のボーナスです。大した金額ではないのですが・・・

額にすると月1万と少し月収が上がるようなイメージです。(もっと欲しい)

交通費支給

交通費は全額支給されることになりました。

電車にも乗るので交通費が支払われると、お財布へのインパクトがかなり出ます。

退職金がでる(条件付き)

退職金も出るようになりました。

あまり期待はしていないので、iDeCo などで自分年金を作る必要はありますが、
退職時に多少なりともお金が出るのは嬉しいものです。

ちなみに退職金が出るのは勤続3年以上の派遣社員のようです。

無期雇用派遣なら待機中も給与あり

そもそもですが、わたしは現職場勤続3年を区切りとして、
無期雇用派遣労働者に変わっていました。
今から2年ほど前のことです。

その際に

・給料は月給制
・交通費支給

となり、今回の派遣法改正で恩恵を受けたのは、退職金とボーナスでした。

無期雇用派遣であれば、もし派遣切りにあっても待機中に給与は支払われます。

なので、むやみに派遣切りを恐れる必要がなくなったのは、この制度の良いところかと思います。

もちろんデメリットもある

わたしが比較的安穏な派遣生活を送ってきたからでしょうか。

自分の身に起きた悪いことを書くことがあまりできないのですが、
デメリットだと思っていることはもちろんあります。

安定していない

言わずもがなですが、来年も同じ職場で働ける確証はないです。
そして定年まで同じ給与レベルで仕事があるとはかぎらない。
そればかりは派遣なので仕方がないです。

それが受け入れられないのであれば、正社員の仕事を探すしかありません。

老後が心配

正社員でも老後の生活が危ないと感じる人が多い世の中なので、
非正規であればなおさらですね。

正社員ほど退職金もないので、自分でなんとか用意するしかありません。

給料がなかなか上がらない

時給が上がるのはザラで、上がっても10円とかの世界。
凄いスキルを持っている人なら別ですが、
基本的にガツンと時給はあがりません。

上げたければ、時給の高い別の仕事を探した方が早いです。

無期雇用形態だと、仕事が選べないかも

派遣は自分でしたい仕事が選べるのが最大のメリットです。
しかし無期雇用の派遣社員になると、
次の仕事は基本的に派遣会社が決めたところに行かなくてはならないようです。

気分的には、社員が会社に出向を命じられるようなものでしょうか。

待機中でも給与が支払われるのは嬉しいのですが、
それと引き換えに職業選択の自由が奪われます。

【番外編】イラっとすること

社員さんがボーナスをもらって嬉しそうしているのを見ると、
ちょっとイラっとします。。

はい、これは完全に愚痴です。

まとめ

なんとなくわたしがゆるーく働いてきたんだな・・・と自分で感じるほど、
あまり危機感のない文になりましたが、
わたしの肌感覚として、40歳近くまではとりあえず下記条件で働けました。

生活できる十分な給与がある
好きな仕事を選ぶことが可能
派遣法改正でボーナス、交通費がでる(派遣会社による)
無期雇用派遣労働者になり月給制、退職金がでる(派遣会社による)

コロナのせいで、今後状況の変化を注視していく必要がありますが、
わたしとしてはこれまで通り企業に貢献するマインドで臨んでいきます。

ただ、この企業に骨を埋めるかどうかなどわかるわけもないので、
いつでも動ける準備はしておくつもりです。

ヤドカリですから。

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